2024年7月4日に行われたイギリス総選挙では、労働党が歴史的な大勝利を収めた。
ただし、投票率は60%で、1885年以来の総選挙で2番目に低かった。また、労働党の得票率33.7%は2019年の前回総選挙に比べて1.6ポイントしか上がっていない。対する保守党は、得票率が20ポイント減の23.7%となっている。選挙区ごとの議席の動きを見ると、労働党が支持を伸ばしたというより保守党が支持を減らし、小選挙区制度のもとで、労働党の大勝利に結びついたと言えよう。得票率と、議席数を比較したものが下記の図であるが、小選挙区制度は死票の多い制度であると同時に、受け皿さえあれば、与党の失政に対して、野党に大きく議席がスゥイングする制度であることを再認識させられた。Reform UKが4,091,549票(14%)もの得票を得たのは保守党からの票が流れたものと思われる。
いずれにしても、右寄りに政策を変更したとされる労働党がどのような政策を実行するのか見守りたい。
Seat swing in each constituency
Con→ | Lab | 182 |
SNP→ | Lab | 36 |
Con→ | LD | 60 |
下記の、グラフを見ると、貧困地域を抱える中北部で労働党に、豊かと言われる南部で自由民主党と労働党に当選者が置き換わった様子が分かる。
選挙区ごとの政党別獲得議席マップ