公共政策研究室

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自治基本条例と住民投票条例

自治基本条例は、2000年~2010年当たりにかけて、全国の自治体で設置が相次いだ。ちょうど、1999年に地方分権一括法が制定され、国と地方は対等な関係とされた。

現在、武蔵野市住民投票条例を巡って混乱が発生している。住民投票条例は、自治基本条例に根拠を持つことが多く、自治基本条例そのもののあり方が問題になっているようだ。

住民投票条例に対しては、当初から、右派勢力を中心に反対する動きがあったが、ここに来て大きく表面化した形になる。

住民投票=善、議会制民主主義(代議制民主主義)=悪などというつもりはない。実際住民投票には、その制度設計や運用の仕方によって弊害が発生することはイギリスのEU離脱の動きを見ても明らかだ。しかしながら、日本は西欧諸国と比較して住民投票は少ない。アメリカなどでは、州、市町村(municuparity)を含めて年間数千の住民投票が行われていると聞く。

代議制民主主義が基本としても、それを補う形の直接民主主義がどこまで必要かという議論である。

 

この問題を、大局的に捉えた書籍はいくつか見られるが、待鳥聡史『代議制 民主主義 ――「 民意」 と「 政治家」 を 問い 直す』2016などが示唆的である。