森友、加計、自衛隊の日報問題など、官僚の公文書の取り扱いの恣意性は、目に余るものがある。
日本の公文書管理は、戦前、戦中の方が現在よりしっかりしていたという。戦争で負けたことが原因だろうか。もしそうであるとすると、ドイツやイタリアも公文書管理後進国でなければならない。このあたり要因は、しっかりと分析がなされていないように思われる。
日本は、敗戦時に大量の公文書を破棄した。戦前と戦後で政治行政体制は断絶と連続が入り交じっているが、継続部分があるからこそ、あのときの経験はトラウマのようにして残ったと言うことが考えられる。
記録が残っていなければ、国民は意思決定の系譜を調べられないばかりか、新たに政策を策定する場合にも過去の記録にあたることができないため、二重の損失だ。
また、韓国、台湾などあとからキャッチアップしてきた国が、公文書館も日本以上に充実していることも問題だ。日本は、失われた20年、30年と言われるが、経済だけではない。こんなことにも、変えることののできない日本の病理が潜んでいるように思われる。