公共政策研究室

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東日本大震災の復興過程

昨年度に続いて南三陸町を訪問した。 現在は、志津川地区の都市計画の見直しの住民説明が行われ、町内各地で、高台移転を初めとしてまちづくりについての住民側の新しい動きが出ている。 また、地元の若手を中心にNPO法人や一般社団法人を作るような動きも見られるようになっているのは驚きであった。震災後2年半ほどを経過して、この直近1年間で新しい動きが芽生えている様に感じた。 これは、外部からの支援や知識の付与、場合によっては勇気づけによって住民がエンパワメントしていく過程として捉えることができる。その点は、地域性が違うものの、阪神大震災の時にも同じようなことが起こったと考えられる。その意味では、コミュニティエンパワメントという視点からは、災害からの復興過程において共通する部分があるように思う。 被災地全体の復興は地域によって、様々な経過をたどっているが、国、県、基礎自治体の対応、外部からの支援とそのマッチング、受援体制(受援力)、そして、やはり大きいのはその地域の地形、自治体のの被災状況(主要部分が全滅したか部分的であったか)、といった条件によって変わってくる。このため、復興状況の理解には、数え切れない細かな要因があると理解できる。しかし、かといって「いろいろです」では説明にならないので、要因ごとのインパクトの度合いや、主要要因の抽出といったことが必要だろう。 東日本大震災の復興は、現在進行形の話であり、課題は山積である。しかし、阪神大震災を経験したものとして、何らかの形で復興に役立てればと思うし、災害から得られた教訓を今後に活かせたらと考えている。 南三陸町志津川地区の市街地の現況(2013.8)
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震災前(2007年)の状況
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志津川地区の仮設のサンサン商店街に隣接したオープンしたばかりの住民集会施設(南三陸ポータルセンター)2013年8月オープン
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